第12章 超電導とは何か?
超電導の標準理論では、電子のクーパー対がその原理であるとされる。
クーパー対とは、超電導現象において、2つの電子が対になって振る舞う状態のことである。この「対」は、まるで1つの粒子のように振る舞い、陽子との間で量子力学的効果を生み、電子は超電導物質内をすり抜けるように通過する。
標準原子核モデルでは、一塊の陽子・中性子核が中心に存在し、クーパー対の最初の電子がこの陽イオンの影響を受け、二番目の電子がその影響を利用し、抵抗を受けずに通過するとしている。
また、超電導効果においては磁場のマイスナー効果やピン止め効果が現れるが、これにもクーパー対が関係している。
しかし、竜巻回転原子モデルは分散原子核で、しかも軸毎に陽子と電子の関係が構築されている為、標準理論のクーパー対発生の前提が成り立たないと考える。
本仮想物理における、超電導効果の解釈を以下に示す。
超電導効果においては磁場のマイスナー効果やピン止め効果が現れる。
超電導の発生には温度、磁場、電流の条件を境界以下の範囲にする必要がある。

この図から、超電導を妨げる抵抗には、「温度による抵抗」と「磁場による抵抗」があり、その各々を臨界値以下にすると「臨界電流」まで超電導となることが分かる。 「温度による抵抗」は電子と熱振動する原子の衝突により発生するが、「磁場による抵抗」は電子と磁気双極子N局との間のローレンツ力の反発力により発生するものと考えられる。 このうち、電子と原子の衝突は、超低温によって原子の運動を極小とし衝突を減らす。 磁場による抵抗は、超電導物質内に存在する磁気双極子(8章磁場とは何か?)を、超電導物質内から排斥する必要がある。
【マイスナー効果】
マイスナー効果とは、超電導状態の物質が磁場を追い出す現象で、完全反磁性とも言う。

一般論においてマイスナー効果は、「超伝導体に磁場が掛かると、超伝導体の表面近傍で小さな"電流の渦 (ボルテックス)"が生じ、このボルテックスが外部磁場を打ち消す方向に流れ、超伝導体内部では磁場が打ち消された状態になる」と説明されている。
しかし、ボルテックスが何故発生し、さらに外部磁場を打ち消す方向に流れ、磁場を打ち消すのだろうか?
また、超電導におけるボルテックスとクーパー対の関係も良く分からない。
本仮想物理では、以下の様に考える。
「超電導物質を極低温にすると、原子に必要な竜巻回転のエネルギーが減少し、最外殻の電子が原子核と別れ自由電子になりイオン化する」と仮定する。
すると超電導物質内は多数の-イオンと+イオンが混在した状態になる。
-イオンと磁気双極子のN局、+イオンと磁気双極子S局にはローレンツ力による反発力が発生するため、磁気双極子は超電導物質から追い出され、マイスナー効果が発生する。
磁気双極子は超電導物質外部の空間にも存在するが、これも外向きに押し出される。 超電導物質の上に強力な磁石を置くと、-イオンと磁石のN局の間、+イオンと磁石のS局の間にローレンツ力による反発力が発生し磁石が浮遊する。
【ピン止め効果】
マイスナー効果を持つ超電導物質内に不純物がある場合はイオン化が発生しないため、物質内の磁気双極子の排出は起こらず、従って磁束はその不純物を束となって通る。 貫いた磁束と超電導物質内のイオンの間にはローレンツ力による排斥力が働き、超電導物質を磁束の外側に均等に押しのける膨張力となる。この膨張力は外部からの力に反発する慣性抵抗を生み超電導物質を拘束する。 これがピン止め効果であり、マイスナー効果とピン止め効果により超伝導体の空間浮遊が発生する。

【反磁性体】
反磁性とは、外部磁場をかけたとき(磁石を近づけるなど)、物質が磁場の逆向きに磁化される現象である。
標準理論では、「原子中の電子へ外部磁場を与えると、電子に外部磁場を打ち消す回転運動が励起され、逆向きの磁化が生じることによる」とされる。
しかし、一塊の原子核の周りを周回する電子に、外部磁場を打ち消す回転運動がなぜ発生するのか分からない。
また、竜巻回転原子モデルの場合でも、磁気と逆方向に竜巻回転を整列させる必要があり、やはり説明が出来ない。
(強磁性や常磁性の磁性化については「8章 磁場とは何か?」を参照)
本仮想物理では、物質が磁場の逆向きに磁化される現象ではなく、【マイスナー効果】で説明した完全反磁性と同じローレンツ力によるものと考える。
「強力な磁石等により、反磁性物質に強力な磁場を掛けると、原子の最外郭の電子が自由電子となり、反磁性物質内には―イオンと+イオンが発生する」ものと仮定する。(15章 竜巻回転原子モデルの解釈【イオン化】参照)
―イオンと磁石のN局、+イオンと磁石のS局の間には、ローレンツ力による反発が発生し、反磁性が発生する。
磁石を反磁性物質から遠ざけると、自由電子が元の軌道に戻り、反磁性は消える。
【超電導】
マイスナー効果により電荷の移動の抵抗が消失し、超低温により竜巻回転原子核との衝突が極小化すると、超電導現象が現れる。
超電導の達成方法の一つに超電導物質を超高圧にするという条件があるが、超電導物質を超高圧にすると、やはり電子と陽子が分離してイオン化し、これによって超電導物質内の磁気双極子が排出されるのだろう。
超電導は臨界電流密度以下まで維持されるが、これを超えると超電導が壊れる。
これは、超電導物質内部には排出されきれない磁気双極子が残っており、そこに臨界以上の電流を流すと磁気が強まりローレンツ力による排斥力が増すこと、電子と超電導物質の衝突の増加の二つの効果により超電導状態が壊れるものと思われる。
超電導物質とは、超低温化下において、原子の熱振動が極小になり易く、かつイオン化し易い物質のことであろう。