第4章 質量とは何か?
物質の質量とは何か?
一般に言う質量とは、周期律表における炭素C12を相対質量12とし、この質量を実際に測定しgで表したものを絶対質量としている。

しかし、この二つの質量は度量衡(一方は周期律表、一方はメートル法で重力加速度が1G)が違うだけで、本仮想物理では何れも相対質量にあたり絶対質量ではない。 本仮想物理で考える絶対質量とは、度量衡にも重力加速度にも依存しないものである。 また、絶対質量をE=mC²によりエネルギーで換算する考えもあるが、本仮想物理では相対性理論を否定している為、これも絶対質量にはならない。
そこでまず、物体の絶対質量はどこに存在するかを考察する。 絶対質量は物質の中の電子や陽子・中性子や光子エネルギー等を全て合わせた中に在ると思われる。
全粒子の質量とは何かを考えるため、原子の生成過程を考察する。
ただしここで考察する物質の生成は、電子や陽子・中性子レベルの基本粒子までとし、これらの基本粒子が原子に構成される過程を考察する。
ここで電子と陽子は最終的に竜巻旋回原子モデルになるのと考えるが、そこに達するためには何等かの仕組みが必要である。
また電子が軌道を変えることによりエネルギーが放出されたり吸収されたりするが、このエネルギーとは何か、どこから発生し、どこに消滅するかについても考察する。
陽子と電子が接近すると、クーロン力による引力が発生する。
陽子と電子がクーロン力により接近すると、電子は竜巻回転原子モデルの「軸と段」により決まる軌道に、エネルギーの低い順番から配置される。
その際、電子のエネルギーが軌道のエネルギーより高い場合は、電子内から外部にエネルギーを排出し、逆に低い場合は外部からエネルギーを取り入れ、対応する軌道で安定させる必要がある。
原子番号の高い元素では軌道が複数あるが、ある軌道から別の軌道に電子が遷移する場合は、2つの軌道のエネルギー差を光子として放出又は吸収し、電子のエネルギーを軌道が必要とするエネルギーに合わせ新しい軌道に遷移する。
また、電子と陽子が衝突しても跳ね返るのみと思われ、やはり最終的に竜巻回転に入る。
なお、「電子に吸収された光子は運動エネルギーを原子の竜巻回転運動に移し、運動エネルギーの失った光子は重力子※(詳細は6章,10章)としてその絶対質量を空間に放出するため、絶対質量の増減は発生しない」
重力子は、「1章時間とは何か?」にて、光速度不変の原理を否定したため、実体を持つ粒子が必要になり考案した粒子である。
「重力子は、空間に無数に存在し、絶対質量が限りなく0に近く、通常は検知不能であるが、エネルギーを与えると電磁波(光)となって現れる粒子である」
エネルギーのやり取りとは、重力子と電磁波(光)の運動エネルギーの差を、電子の遷移軌道による運動エネルギーの差に置き換えることを言い、従って、原子の質量は電子・陽子・中性子の和のまま変わらない。
(※;標準物理学のグラビトン(重力子)と、本仮想物理における重力子は別のものである。標準物理学におけるグラビトンは、本仮想物理では重力因子に対応する。)
相対性理論ではエネルギーと質量は同じものとして捉えている。
しかし、本仮想物理では、2章運動エネルギー、3章重力エネルギーで述べたように、運動エネルギー、重力エネルギー、質量を各々全く異なるものと捉えている。
通常使われる質量は重力1G、速度0の条件における相対質量である。
そこで、「重力=0、速度=0、竜巻回転=0、電荷=0、強い力=0等、全てのエネルギーが0となる仮想状態を考え、電子・陽子・中性子を構成する重力にのみ作用する最小単位の粒子として重力素:G0」を仮定する。G0(gravity-zero)は絶対質量の単位である。
(一般論では物質とは波動と粒子の両方と考えられているが、本仮想物理では「あらゆる物質の本質は粒子であり波動はその属性である」として推論を進める。これによって、物質には明確な実体が与えられ、直感と一致する)
個々の電子・陽子・中性子はそれぞれに見合った量の重力素を保有し、その量を絶対質量と呼ぶ。
重力はこの重力素に引力として作用し、運動もこの重力素に慣性重力(10章重力とは何か?)として作用する。 すなわち「絶対質量Mとは、物質の中の重力素の量を現す単位であり、M=m*G0とはm個の重力素(G0)のことである。 なお、最も小さい物質が電子なので便宜的に電子をm=1(1G0)と仮定する。従って、陽子は電子の1836倍のため1836G0になる。 さらに、m=0の粒子は絶対質量が0のため、重力の作用を受けない超粒子となる。」
以後、「質量」と省略する場合は「相対質量」のこととし、「絶対質量」は省略せず「絶対質量」と表記する。