第5章 物質とは何か?

一般論では、「物質とは、空間の一部を占め、有限の質量を持つもので、素粒子の集まりである。物質の構成要素となる素粒子のひとつがクォークで、クォークは物質の最も基本的な構成粒子である」とされている。 本仮想物理ではクオークに相当するものを、「15章 竜巻回転原子モデルの解釈」の最後で述べる。 物質とは何かの前提を以下に示す。

  • ・電子、陽子、中性子は質量と電荷を持つ。
  • ・電子は最も小さな物質粒子であり、-電荷のみを帯び、+電荷の電子(陽電子・ポジトロン)は自然界には存在しない。
この結果が必然なのか偶然なのか、物質とは何かを考察する。

【電荷と物質】

電子が-か+を帯びるのが偶然なら、宇宙には反物質(陽電子と反陽子)も物質(電子と陽子)と同じくらい存在し、反物質の空域と物質の空域の接触面で対消滅が発生し膨大なエネルギーの生成が観測されるはずであるが、そのような観測事実はない。従って物質が宇宙を満たしていると考えられるが、この状況を偶然と考えるのは不自然である。 すると、想定される仮説は、正の電荷を帯びた電子は負の電荷を帯びた電子より「生成が困難」か「生存時間が短い」の何れかであろう。

しかしながら、「生存時間が短い」場合でも生成はされ、その結果対消滅によるエネルギー現象を観察できるはずで、「生成が困難」が最も妥当かと思う。

「生成が困難」であるためには、+電荷と-電荷には何らかの違いが必要である。 前章にて電子は重力素1(1G0)を有する粒子と定義したが、これに付加される電荷も粒子と考え、 「-電荷には-電荷子、+電荷には+電荷子という粒子を仮定する」

自然界では電子に-電荷が、陽子に+電荷が存在しその逆は存在しない。
そこで今、「-電荷子は重力素=1、+電荷子が重力素>1で結合するものとし、さらに、重力素は狭い範囲内で強力な引力(核力;強い力)を発生させ、重力素=1で-電荷子を、重力素>1で+電荷子を吸引し捕捉する」ものと仮定すると、電子は重力素=1、陽子は重力素=1836なので電子のみに-電荷子が付加される説明はつく。

絶対質量=1の重力素に-電荷子が接近すると、この-電荷子は重力素の強い力に取り込まれ、重力素の周りを周回し電子となる。重力素の周囲を-電荷子が周回することで、電子にスピンが生まれ波動性が発生する。

電子と陽子

逆に、陽電子を生成するためには、+電荷子を重力素1の電子に無理に結合させる必要がある。このためにはそれに見合った大きなエネルギーを与える必要があるため、容易に生成されず、生成されても不安定で短時間で崩壊する。

一方、陽子の重力素は電子より大きいため+電荷子も-電荷子も付加可能である。
大きな重力素の近隣に、+電荷子や-電荷子が存在する状態を考える。 大きな重力素の近隣に+電荷子が存在すると、重力素は+電荷子を強い力で捉え陽子となる。

この陽子に、電子が接触しても、+電荷子は強い力で重力素に繋がれているため安定しており、接触の瞬間に陽子と電子の電位差は0となり、対消滅せず離れていく。
大きな重力素に-電荷子が結合すると、大きな電子となるが、重力素は-電荷の影響で空間に重力子を放出するため順次縮小し、最終的に通常の電子と同じ1G0の大きさになる。(詳細は「13章竜巻回転原子モデルの解釈」参照)。
重力素の近隣に+電荷子と-電荷子が同時に存在し、同時に取り込むと中性子となる。
重力素の周囲を電荷子が周回することで、陽子と中性子にも波動性が現れる。